豊橋市の陶芸家、稲吉オサムさんが製作総指揮を務めた自主映画「渥美古窯殺人事件」が完成した。ユナイテッド・シネマ豊橋で11日午後６時15分に一夜限り上映する。

稲吉さんは平安から鎌倉時代に用いられた陶器を焼く「渥美古窯」を復元し、当初は復元のドキュメント映像を撮影していた。ドキュメントを基に「フィクション映画にして紹介したら面白い」との声が上がり、製作に踏み切った。

物語は夢話から殺人事件へ発展する設定で、コメディー色が強い。稲吉さんと協力者の奮闘も描かれる。

撮影は２～10月に石巻山、再現した渥美古窯、呉服店「山正山﨑」の裏山文庫などで実施された。出演は稲吉さん、山﨑嘉大さん、河邊義明さんらで、撮影と脚本は三輪誠之さんが担当した。

稲吉さんは「のりで映画製作に数百万円を使ってしまった。こんな人間でも頑張れることを伝え、皆さんの活力にしたい」と述べた。上映時間は１０７分。前にトークショーと映画内の「生前葬」が行われ、入場料はお気持ち制である。

次回作「石巻温泉女医」の製作が決定しており、上映会はほぼ満員だが１席の空きがある。参加希望者は映画の公式インスタグラムに連絡するよう案内されている。