映画『ブルーボーイ事件』の本編映像3本が公開され、初公判から主人公と弁護士の関係性までが描かれている。LGBTQ+や多様性に対して、世界でバックラッシュが吹き荒れるいま、かつて日本で実際に起こった事件を基にした作品である。

最初に公開された映像は、赤城医師の初公判の場面であり、1965年当時の法的状況や社会的背景を映し出す。警察は生殖を不能にする手術が「優生保護法」に違反するとして赤城医師（山中崇）を逮捕し、起訴した。

弁護人・狩野を演じる錦戸亮は法廷で「無罪であると主張いたします」と反論し、被告の行為が治療であったことを証明するために患者の証人申請を求める。続く映像では、狩野が「アメリカではすでに性転換手術は医療行為として認められています」と主張し、手術を「性転換症という精神疾患」の治療の一環として位置づけようとする。

しかし証人たちは声をあげ、「勝手に病人扱いしないでちょうだい」「アタイらは普通よ。普通に悩んで生きてるの」「私は私です」と自己の立場を訴える場面が描かれる。ラストでは狩野がサチ（中川未悠）に向き合い、「もう一度、あなた達のことを教えてもらえませんか？」と問いかける場面を通じて、手術当時の思いや当事者の心情が明かされていく。

『ブルーボーイ事件』は11月14日（金）より全国にて公開される。