最近、推し活の新潮流として陶芸を取り入れるファンが増えている。手びねりやろくろで推しをイメージした器や小物を作り、ライブグッズや推しの色を反映させたオリジナルアイテムとして楽しむ動きが広がっている。

地方の陶芸教室や個人のクラフト作家が推し向けのワークショップを開き、オンラインで指導する配信や動画も増加している。動画では作業時間を短縮したタイムラプスや釉薬の発色比較テストが人気で、視聴者が材料をそろえて同時に作る参加型配信も見られる。

SNSでは制作過程や焼成前後の比較、釉薬や下絵付けの選び方などを共有し、交流が活発化している。推しのロゴや配色を模したデザインは著作権に配慮しつつ同人的な範囲で楽しむケースが多い。

初めての人向けの体験では手軽な成形と簡単な絵付けから始めるのが一般的で、作品の乾燥から焼成までの時間や取り扱い、梱包の工夫といった実用面のノウハウにも注目が集まっている。価格や焼成の手間を考え、既製品をリメイクしたり共同でオーダーする方法を選ぶファンもいる。地域のクラフトフェアや展示に作品を並べる動きや、ファン同士で作品を見せ合う交流も生まれている。陶芸を通じた推し活は、物理的な思い出作りや制作過程の没入感によって新しいファン活動の形を提示している。