会津本郷で地域おこし協力隊として移住した大友悟さん（1993年生まれ、32歳）は、化学メーカーの研究員から陶芸家を志す経歴を持つ。大阪の化学メーカーで塗料の開発・基礎研究に従事していたが、妻の影響で陶器に興味を抱き、京都芸術大学通信教育部で2023年より陶芸を学び始めた。

当初は仕事を続けながら制作を行い、手応えがあれば退職するつもりだったが、陶芸の奥深さに触れて退職し、本格的に学ぶ道を選んだ。昨年、地域おこし協力隊の枠で会津美里町本郷地域へ移住し、窯元での修業を重ねている。

会津本郷は1593年の開窯以来の歴史を持ち、最盛期には100を超える窯元が軒を連ねたが、現在は12窯が残る東北最古級の窯場である。大友さんはこの土地で会津本郷焼の魅力を伝えることを使命とし、作品づくりと情報発信で地域振興に寄与しながら独立を目指している。趣味は料理で、自作の料理を陶器のうつわに美しく盛り付けることを制作のモチベーションにしている。