江戸時代のポップカルチャーを牽引した天才プロデューサー・蔦屋重三郎の劇的な人生を、横浜流星主演で描く大河ドラマ『べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～』の第４１回（１０月２６日放送）「歌麿筆美人大首絵」では、権力と文化が交錯する局面が描かれる。

松平定信（井上祐貴）は政権維持のために思い切った行動を取り、一橋治済を生田斗真が演じる場面では、家斉（城桧吏）や尾張藩主・徳川宗睦（榎木孝明）との駆け引きが明らかになる。

また、重三郎の師である書物問屋・須原屋市兵衛（里見浩太朗）が海外情勢を伝える書籍販売を理由に身上半減となり引退する事件が描かれ、同時にオロシャ（ロシア）の船来航の知らせが対外不安を強調する。

物語の一要素として「尊号一件」への対応をめぐる諌めの場面も盛り込まれる。

今回のエピソードでは、蔦屋から売り出された喜多川歌麿（染谷将太）の「婦人相学十躰」が登場し、作品の雲母摺の上品な艶やわずかに浮き上がる視覚効果を映像で表現しようとする演出が注目される。

発売時に有名な人相見を招いて相学に興味のある客を集めるプロモーション描写もあるが、この手法が実際にあったかは不明で、多分ドラマオリジナルとされている。

歴史的事実と美術表現を重ねた演出が、同作の見どころとして提示されている。