鹿児島県奄美市名瀬のアマホームＰＬＡＺＡで、重村敏光さん（８１）の個展が始まった。会場の２階マチナカギャラリーには、絵画や陶芸、絵手紙など大小さまざまな作品約４０点が並んでいる。

重村さんは本場奄美大島紬の元図案士で、日本画を中心に制作を行っているが、本格的に日本画を始めたのは約１０年前という。作品タイトルには必ず「奄美」を含め、奄美の動植物や伝統工芸を題材にした作風を展開している。

近年は流行に合わせてカラフルな表現にも挑戦しており、昨年は第４２回奄美市美展の美術・工芸部門で最高賞、今年は第７１回県美展・公募の部に新設されたスモールアート（ＳＡ）秀作賞を受賞している。重村さんは「そこにないものも組み合わせて描くのが私の作風。配置を考えるのは良い脳トレになっている」と語る。

また「絵はうまい下手ではなく個性でいい。リンゴは赤くても黒くてもいい。絵について楽しく話し、興味を持ってもらえたら」と来場を呼び掛けている。展示は３１日まで開催される予定で、奄美の風景と工芸を多角的に楽しめる構成となっている。