NTT西日本は10月27日、声の権利の保護を特徴とするAI音声サービス「VOICENCE」を発表した。提供は主に法人向けで、同日から提供を開始するという。

VOICENCEは、提供された声のデータとそれを学習したAIモデル、生成したAI音声をまとめて「音声IP」として管理する仕組みである。AI音声にはパブリックブロックチェーンとデジタル証明書「Verifiable Credential（VC）」を付与し、無断で生成された音声との区別を可能にする真正性証明を行う。

音声合成にはNTT人間情報研究所の音声処理技術を活用し、数秒から数分ほどの音声をもとに本人の声の特徴を再現する。さらにNTT西日本が開発した「音声印象制御技術」により話し方の調整もでき、多言語変換は日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語に対応する。

サービス形態は声の持ち主にライセンス料を支払い、企業とは個別契約とする方針で定価は設定していない。事業は社内の独立組織「VOICENCEカンパニー」が担い、ライツマネジメントとコンテンツ制作の両面で展開する。

発表時点で俳優の別所哲也、声優の春日望、VTuberのKizunaAIらがパートナーに名を連ね、声優の花江夏樹は「声を正しく守りながら、テクノロジーを通じて新しい届け方を作っていく取り組みに新しい可能性を感じ、VOICENCE事業に参加した」とメッセージを寄せた。