2025.10.28
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みらい美術館ではこれまでガラス作品を中心に紹介してきたエミール・ガレの展示で、今回は珍しい陶芸作品にも注目した展示構成となっている。光の演出を工夫し、透明感や陰影の美しさを際立たせる展示になっている。
エントランス展示に力を入れ、展示室よりも入口側の見せ方を重視している。展示作品にはガレ没後の工房作品も含まれ、リピーターにも新鮮な驚きを与えている。
「紫陽花文花器 ガレ 1918‐1931年ごろ」は背後の光を透過することで内部の紫陽花の細やかな造形が浮かび上がる。花瓶の下部の黄色い紫陽花は、背後の光を透過した表情の違いとして観察できる。
展示の高さを変えることで視点が変わり、上から覗き込むと異なる表情が見える工夫がある。スポットライトが作品のナビゲーションを行い、注目ポイントを示すことで見慣れた作品にも新たな細部が浮かび上がる。
初期のエナメル彩作品や透明ガラスの陰翳も展示され、光が作る造形を楽しめる構成だ。展示面に映し出された十字の光はカエルの上の十字の文様を映し出しており、ガラスの凹凸と透過光が作品台に美しい影を結んでいる。
例示として「北斎漫画蛙文栓付瓶 エミール・ガレ 1880年頃」や「春の植物文三口花器 エミール・ガレ 1890年」が紹介されている。照明はスポットとサイド光を組み合わせており、ガラス表面のざらざら感や影の造形を際立たせる意図がある。
展示を周回すると光による七変化が楽しめ、作品と光の相互作用から鑑賞者が新たな発見を得る仕掛けが施されている。
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