NHK大河ドラマ『べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～』第41回で描かれる一橋治済を巡り、演じる生田斗真の存在感が視聴者の注目を集めている。SNSでは「ぜんぶ治済のせい」のハッシュタグが拡散し、反響が広がっている。

制作統括の藤並英樹は治済について「諸悪の根源」と位置づけ、役の性格や役割を解説した。藤並は治済が庶民の蔦重（横浜流星）と直接対立する存在ではなく、政治の裏で事を動かす人物であると説明する。

劇中で不可解な死を遂げた徳川家基（奥智哉）や田沼意知（宮沢氷魚）、十代将軍・徳川家治（眞島秀和）らの事件には治済の関与が示唆される場面があり、物語の緊張感を高めている。藤並は治済について、「あやつは天になりたいのよ。あやつは人の命運を操り将軍の座を決する天になりたいのだ。そうすることで将軍などさほどのモノではないとあざ笑いたいのであろう」と語り、その狙いが単純な出世欲ではなく、全てを自分の思うがままに動かしたいという欲求であると述べた。

本作は政治と庶民の生活の交錯を描く物語であり、藤並は治済の不動の姿勢が他の登場人物の葛藤を浮かび上がらせると指摘している。視聴者の間での盛り上がりは、役作りと物語の構造が結びついた結果であるとまとめられる。