山田洋次監督の91本目となる最新作『TOKYOタクシー』が11月21日に公開される。倍賞千恵子が高野すみれ、木村拓哉がタクシー運転手・宇佐美浩二を演じる作品である。

このたび、柴又から葉山へ向かう“たった1日の旅”の始まりを描く本編シーンが解禁された。映像はタクシー出発直後のぶっきらぼうな浩二と少しおせっかいなすみれのやり取りを映し出す。

ナビを操作しながらそっけない態度を見せる浩二に対し、すみれは「あなた客商売なんだから、もうちょっと愛想よくしたらどうなの？」と問いかける。浩二は「どうもすみません。葉山まではかなり時間がかかるので、お休みになっていただいても。良かったら横になって」と無愛想に答える場面がある。

旅の理由としてすみれは「東京の見納めに、あちこち寄ってみたいところがある」と語り、墨田川にかかる言問橋への寄り道を求める場面も描かれる。物語はタクシー内の会話を中心に展開し、すみれが歩んできた人生の苦楽が語られていく。

木村は浩二の心境について「浩二はすみれさんの話に『どうなったんですか？』って振っちゃう。だから自分が聞いたことによって、彼女が話したくなかったことを言わせてしまっている責任をすごく感じました。でも、すみれさんの体内に留まっていた膿みたいなものを精算する瞬間にも思えて、タクシーを運転するドライバーのはずが懺悔を聞いている牧師のような感じでもありました」と述べている。