2025.10.24
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青森県弘前市が、シンガポールで唯一の世界遺産「シンガポール植物園」との交流継続で一致した。今月、桜田宏市長が現地を訪れ、同植物園のタン・プアイ・ヨク園長らと意見を交わした。
交流の継続と同国からの誘客促進を目指すことで合意し、現地の旅行博覧会で弘前の観光プロモーションを実施して弘前の魅力をPRした。市側は一定の手応えを得ていると説明している。
今回の交流は、弘前ゆかりの植物学者・郡場寛(1882~1957年)をキーワードに進められてきた経緯がある。郡場は青森市出身で、父親が弘前藩士であったため、県第一尋常中学校(弘前高校の前身)入学から卒業までの5年間を弘前市で過ごした。
第2次世界大戦中の1942年には日本統治下にあった同国に陸軍司政長官として赴任し、その後、同植物園長を務めた。戦禍から貴重な標本や資料を守った功績は現地で語り継がれている。
戦後は弘前大学の第2代学長に就き、55年の農学部創設に尽力し、現在の5学部体制の礎を築くなど大学の発展にも貢献した。
市は戦後80年を前に2024年度から郡場を縁に同植物園との交流の可能性を模索しており、今回の桜田市長の訪問はその取り組みの一環である。今後は定期的な連携や観光プロモーションの拡充を図る方針である。
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