筑後市立図書館が実施した「あなたが選ぶ絵本大賞 in ちくご」で、来館者の投票により「バスが来ましたよ」（アリス館）が大賞に決定したである。

同作は2022年刊で、由美村嬉々作、松本春野が優しいタッチで絵を担当している。物語は視力を失った公務員の男性が小学生に助けられながらバスで通勤し、幸せに定年退職を迎える実話を基にしているである。

絵本大賞は今年が初開催で、9人の司書が「赤ちゃん絵本」「絵本」「大人の絵本」の各部門で10冊ずつを選び、来館者投票で各部門1位の3冊による決選投票で大賞を決めたである。

松本春野は1984年東京都出身で、祖母は絵本画家・いわさきちひろ(1918～74年)であり、「トットちゃんの15つぶのだいず」などの絵本制作にも携わってきた経歴があるである。

受賞を記念して松本による記念講演会が12月20日午前10時から筑後市中央公民館（サンコア）で開かれる。演題は「祖母 いわさきちひろから受け継ぐ絵本のバトン」であり、入場無料、定員は先着300人である。

図書館では聴講希望者と松本への質問を事前に募集しており、質問の締め切りは11月30日である。講演終了後にはサイン会や「Life ライフ」「いっぽんのき」など松本の既刊書の販売も予定されているである。

大賞の知らせを受けた松本はSNSで「出版から数年たった今も、こんなふうに愛される絵本は何て幸せなんでしょう」と喜びを記し、「『この小さな手のリレー』と呼ばれた温かい物語のバトンを、投票という形で受け渡してくださり、ありがとうございました」と感謝をつづっているである。聴講や問い合わせは筑後市立図書館（0942-51-7200）へとしているである。