俳優・木村拓哉（５２）が２０日、都内の東京タワーなどで行われた映画『ＴＯＫＹＯタクシー』（１１月２１日公開）のタクシーセレモニーと完成披露試写会に、主演の倍賞千恵子（８４）、山田洋次監督らと登壇した。木村が運転するタクシーに倍賞が乗車して登場し、木村が倍賞をエスコートする場面が会場の注目を集めた。倍賞は「運転がとてもお上手でとても安心していました」と笑顔で語った。

木村は撮影時について「撮影時は（倍賞が）後部座席でしたが、今回のように助手席というのはまた雰囲気が違った」と述べた。本作は木村演じるタクシー運転手と、高齢者施設へ移動するために乗車した倍賞の２人を刻々と変化する東京を舞台に描くヒューマンドラマである。山田監督は「この２人の芝居を見るのはとても楽しみだった。僕が書いた脚本を２人がしゃべって演技をしてくれる。僕は見ているだけで良い気持ちになる」と語り、役者同士の掛け合いに期待を示した。

撮影では最新のテクノロジーも取り入れられ、木村はスタッフの待機時間に監督の情熱を感じたエピソードを明かし、「僕はテクノロジーではなくて僕は芝居を撮りに来たんだよ！」と現場の集中力を振り返った。倍賞は撮影中の気配りに触れ、この作品が観客に身近な存在として届くことを促した。木村は観客に向けて「ぜひぜひ何度か“乗車”してくれれば」と呼びかけた。