坂口健太郎が映画「盤上の向日葵」で天才棋士を演じ、棋士の内面と盤面の重みを表現した。将棋の場面に向き合う濃密さを意識し、細部で役を作り込んでいるという。

将棋の経験は祖父と小学校時代に指したことがあり、その記憶を役作りに活かしたと述べた。役作りでは多くの棋士の指し方を観察し、参考にしている。

具体的には小日向（文世）さんの指し方を真似たり、今回は渡辺謙演じる無頼の棋士・東明の指し方も取り入れたと語る。桂介の生きた時期や心情を踏まえ、「この瞬間は、もしかしたら東明にちょっと傾倒しているのかな」といった場面ごとの内面設定を行った。

また、指し方が台詞のように機能する瞬間があり、盤面と演技が結びつく場面を大切にしていると述べた。渡辺謙とは初共演で、会う前のイメージと実際の印象が変わり、「当たり前のことを丁寧にされる方だ」と感想を述べている。

坂口は自身を「完全に直感型」であると語り、役作りでも直感を重視する姿勢を示した。音楽の話では「スタニスラフ・ブーニン」と「グレン・グールド」を挙げ、二人の演奏を聴くと天才だと感じるとも語った。父から「自分の評価は自分でしなさい」と言われたことが印象的だったと明かし、取材時の装いとしてPRADAのグリーンジャケット（¥1,001,000）やブラウンパンツ（¥242,000）などが紹介されている。