劇場版総集編『呪術廻戦 懐玉・玉折』は、人気の前日譚「懐玉・玉折編」を再編集した映画である。新規カットと5.1chサウンド、主題歌「青のすみか」のリメーク版が加えられている。

物語は五条悟と夏油傑が学生時代に天内理子を護衛する任務から始まる。天内理子の体内には「星漿体」が宿り、500年に一度、天元と同化する運命を背負うという設定が示される。

レビューは当時の五条の若き自信や輝きを強調し、原作での結末を知る観客が逆に感情を揺さぶられると指摘する。音楽と映像の融合も特に評価され、ラストのアコースティック版と学生時代の写真が重なる場面は感情を動かすという。

人物心理の描写も丁寧で、五条と夏油の決別は単なる不和ではなく、呪術師としての理念や価値観の相違の積み重ねであると論じられている。戦闘シーンも迫力を増し、伏黒甚爾の圧倒的な強さは大スクリーンでいっそう際立つと評される。

一方で、既にテレビアニメ版を視聴した観客が改めて劇場へ足を運ぶかは別問題であるとの指摘もある。総じて本作は、大画面と音響で前日譚を再体験させる作品として、ファンに見る価値があるとまとめられている。