狂歌が江戸・天明期（1781〜1789年）を中心に大流行したことが本文で示されている。身分や年齢を問わず人々を熱狂させ、一時代を築いた文化である。

大河ドラマ「べらぼう」では智恵内子（水樹奈々）が唯一の女性狂歌師として活躍する姿が描かれていることが紹介されている。だが当時には他にも女性狂歌師が存在し、その作品が現代に伝わっている。

記事は大田南畝選『狂歌才蔵集』より女性狂歌師たちの作品をピックアップしており、代表作や狂号の解説を行っている。例として【狂号】世話がないの作品や【狂号】智恵がないの作品が引用され、原文の歌と歌意が掲載されている。

また『古今狂歌袋』所収の智恵内子と元木網の図版や、各狂号に付された注釈が示され、当時の風俗やユーモアが読み取れることが述べられている。女性狂歌師の具体的な作品と注釈を通じて、狂歌が日常をどのように表現していたかが伝えられている。