歌手の椎名林檎は、人気絶頂期の22歳で長男を出産した際、連続リリースに追われる日々を「自転車操業」と表現し、その生活に複雑な思いを抱いていた。

彼女は、活動の流れを止めるために家庭へ入る決断をしたが、その選択において、2010年に活動を休止した宇多田ヒカルの「人間活動をする」という言葉が近い考えであったと振り返る。

椎名は引退も考えたが、2001年のアメリカ同時多発テロを経験し、芸能活動に対する考え方が変わったという。

その経験を通じて「感じたことを残しておくと、同じ体験をしている方にいつか聴いてもらえるかもしれない」という思いが芽生え、ヒットチャートを賑わせることよりも自分の表現を優先する意識に至った。

この転換点により、ただセールスを追い求めるのではなく、伝えたいメッセージを持った作品を届けることがやるべきことだと強く感じたのかもしれないと語っている。

椎名林檎の発言は、同じ時期に活動のペースを見直した宇多田ヒカルとの共通した姿勢を示し、推し活ユーザーにも自身のペースで芸術と向き合う重要性を感じさせる内容である。