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活動報告
2020年6月28日「星の王子様」読書会レポート
参加者
・ノリちゃん
・まきのり
・こまちゃん
・オヤマさん(他サークル)
・むーさん(他サークル)
・マル(幹事)
まずは参加者が読んだ「王子様」の出版社と翻訳者データです。今回は翻訳の違いもあるかもと思いあえて出版社などは揃えませんでした。
「文春文庫・訳 倉橋由美子」
「角川文庫・訳 管 啓次郎」
「岩波少年文庫・訳 内藤濯」
「新潮文庫・訳 河野万里子」
今回の読書会で翻訳の違いで上がった場面は王子様の誘いを断るキツネのセリフ「飼い慣らす」と「なつかせる」でした。
「飼い慣らす」は上下関係を強く感じさせ、翻訳した時代も影響しているのではないか。
「なつかせる」は「飼い慣らす」に比べるとかなり友好的なイメージがある。
という意見が出ていました。
この翻訳の違いは、まだまだ深掘り出来る要素でしたが、幹事の司会進行がうまく出来ずかなりアッサリ終わってしまったので、かなり後悔しました(笑)
メインレポート
今回は、物語の流れにそってポイントとなる場面、登場人物に焦点を当てて話していきました。
① 象を飲み込んだボアの「絵」
物語としての感想
・わかんねぇなと正直思いました。率直 な感想で、大人でわかる人いないでしょ?
・例としてのセンスが良い。この例を出したのが巧みだなと思いました。
・子供の感性がよく表れている。過程を大人にかんがえさせるいい題材。分からなくても受け入れてほしいと思います。
・イラストですぐ確認できたので不自然さはなかった。
・見たものを言われたものをそのまま受け止めるので、ああそうなんだなと思いました。表現としては子供らしいなと思いました
そこから現実世界で自分の意図した事が相手に伝わらなかったらどうする?の質問
・意見のすり合わせが必要かどうか考えてから再度、自分の意図を伝える…かも
・自分の伝え方が悪かったのかな、と自問自答する
・その時の相手の対応によるが…基本、「倍返し」
・話した人との距離が近いかどうかで、更に自分の意図を伝えるかどうか判断する。
・子供の感じ方は「少数派」大人の感じ方は「多数派」で、少数派が多数派に向けてどう伝えていくかが面白みの一つでもある。
②王子様とヒツジの絵
・ヒツジは非現実へのとっかかり。ミュージカルver等でも異様な雰囲気が出ていた。
・なぜヒツジなのか?というのは宗教が大きく関わっている。たぶんキリスト教。
・箱の中のヒツジは読手の想像力を掻き立てる場面
・ヒツジを登場させるギミックが凄い。子供心を想起させる。
③各星の大人達
・大人達は自分たちの何がダメか、自覚がない。比較出来る対象がいないので。
ここで、「会社、プライベートで比較対象はいた方が良い?」との質問をしてみました。
・仕事では、切磋琢磨出来るライバルは欲しい
・比較とは仏教で言う所の「業」になる。他人と比較する事よりも自分自身の目標などをもち、自分に負けない様にした方が良いのかも。
・ライバルなどの存在は判断の一つ。存在が良い悪いではない。他人と比較しない、自分の中の軸が必要。
④王子様とバラ
・面倒くさい
・王子様にはやさしい
・バラをサンテグジュペリの奥さんとして考えると王子様との会話も夫婦の会話として、しっくりくる。
・翻訳の違いでただの高飛車なオバサンにもなる。
⑤ラスト・王子様との別れ
・死んだかどうかは関係ないのではないか。
・王子様は別にいなくならなくても良かった
・映画の話だけど、ちゃんと自分の星に帰って…ダメな大人に成長していた。
⑥最後に「星の王子様」とはどんな作品だった?
・純粋な気持ちを思い出したくなる作品。サンテグジュペリの時代は戦時下だった事から、大戦を作り出した大人達にこの作品を通して純粋な子供の気持ちを思い出してもらいたかったのかも。
・「気付く事」を教えてくれる。読者の現状を振り返るキッカケ、人生を考えるキッカケを与えてくれる作品
・ちょっと消化しきれていない。YouTubeで、オリラジのあっちゃんが「人生の状態で、感想が変わる作品」と言っていました。
・物語が始まる前の「謝辞」が象徴的。親友レオン・ヴェルトに対する気持ちが、この作品。伝え方がうまい。
・ちょうど10年目で読み返してみた。物語の流れが全て「バラ」を理解していく過程になっている。星を回る→色々と経験する→バラへの思いが変わっていく。バラを理解していく。
今回、幹事としての反省点は、物語序盤についての話を振り過ぎて、肝心の「バラ」「キツネ」「作者が伝えたかった事」などを深掘り出来なかった事です。それと場の雰囲気をもっと軽くして、率直な感想会でも良かったなと、感じてます。今後のプライベート企画はその辺りを強化したいです。
改めて貴重な時間を割き、参加してくれた皆様ありがとうございました。さらに今回は他サークルの方も参加して頂き、大変嬉しかったです。オヤマさん、むーさん、ありがとうございました。