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1. 少人数制で、安心・安全を第一に
2. 登山の基礎を学びながら、自然と仲良くなる時間を
3. 無理せず、自分のペースでゆったりと
登山は、自分の体ひとつで自然の中に入っていくアクティビティです。天候や地形の変化など、刻々と変わる状況に柔軟に対応する力が求められます。
季節や山の特性に応じた装備、登山道の確認、危険を避けるための知識が大切です。低山には低山特有の危険があり、高山には高山特有の危険があります。夏だからと油断すると、危険に繋がることもあります。知識を身につけることが、何よりの「安全対策」になります。
「東京ぶらぶら」では、ハイキングから一歩進んで、登山の世界へ踏み出したい方を丁寧にサポートします。無理なくステップアップしながら、自然を楽しむ力、自分の身を守る知識を、ゆっくりと学んでいただけたら幸いです。
登山を「楽しむ」ことと「備える」こと、その両方を大切にした企画をお届けします。
山はいつも私たちを受け入れてくれますが、その静けさの中には、いつも“もしも”が潜んでいます。登山で起こるトラブルの多くは、突然ではなく、小さな油断や知識不足の積み重ねから生まれます。だからこそ——「どんなリスクがあり、どう備えるか」をみんなで共有しておくことが、最大の安全対策になります。
このページにまとめた内容は、特別な道具や技術を強要するものではありません。むしろ、「いまはできなくても、意識しておくこと」が目的です。
次に山へ行くとき、ふと頭の片隅にこの知識がよぎれば、それだけで危険は大きく減らせます。
登山は、恐れながらも自然と共に歩む行為です。一人ひとりが「自分と仲間を守る意識」を持つことで、山はもっと豊かで、安心できる場所になります。
登山では、天候や地形、体調など、さまざまな要因が重なってトラブルが起こることがあります。でも、実は人は「よくわからないこと」に対して一番不安を感じるものです。
この一覧表の目的は、そうした不安をなくすために作りました。
クマに出会う、道に迷う、寒さで体力を失う——
原因を理解して、対策を知っておくことでちゃんと防げることばかりです。
内容をすべて実行する必要はありません。まずは「知っておく」「意識しておく」ことから始めましょう。
ひとつずつ、ゆっくり覚えていけば大丈夫です。正しく備えることができれば、山はもっと安全で、もっと楽しい場所になります。
主なリスク
- 鉢合わせ・威嚇
- 原因:静寂、風、視界不良
- 対策:熊鈴、ホイッスル、ラジオ、熊スプレー(使用距離3〜5mを目安に携行)
- 夜明け・夕方の行動
- 原因:クマの活動時間と重なる
- 対策:行動時間を午前〜昼に設定(8:00登山開始、15:00下山完了を推奨)
主なリスク
- 道迷い・転倒
- 原因:霧、雨、風による視界不良
- 対策:地図、GPS、コンパスを携行
- 補足:オフラインでも利用可能な地図アプリ(YAMAP、ヤマレコ等)を推奨。
- 低体温
- 原因:雨や風による体温低下
- 対策:レインウェア、防寒着、シェルター
- 補足:体温維持は生存時間の確保につながる。綿素材は避ける。
主なリスク
- 道標見落とし・分岐誤認
- 原因:疲労や集中力の低下
- 対策:GPS、紙地図、予備電源を必携。バッテリー切れに注意。
- 連絡不能(圏外)
- 対策:登山届を提出し、緊急時の連絡先を共有しておく。
主なリスク
- 擦り傷・打撲
- 原因:転倒や岩場での接触
- 対策:ファーストエイドキット(テープ、包帯、滅菌ガーゼ等)を携行。
- 低血糖・脱水
- 原因:補給不足
- 対策:塩飴、水、エネルギーバー等を適宜補給。
- 補足:「喉が渇く前・空腹前に補給」を意識する。
主なリスク
- 無理な行動
- 原因:焦りや過信
- 対策:撤退基準を事前に設定(天候悪化・疲労・14時以降は撤退を原則とする)。
- パニック
- 対策:行動前に「もし◯◯になったら」を想定し、判断手順をシミュレーションしておく。
主なリスクと対応策
- 人数過多による統制困難
- 対策:1グループ5〜6名を目安に分割し、サブリーダーを配置。
- 実力差による分断・遅れ
- 対策:歩行速度・休憩間隔を統一し、体力の低い人に合わせて進行。
- 連絡不足・伝達ミス
- 対策:ホイッスル、トランシーバー、ハンドサインなどの合図を事前に共有。
- パニック・迷走
- 対策:班ごとに「集結地点」を決めておく。
- 指導者の過信
- 対策:ルート情報を全員に共有(下見を実施)。「リーダーが倒れたら終わり」を防ぐ。
1人のリーダーが安全を直接確認できる範囲は、それ以上になると、誰かが木陰やカーブに隠れ、転倒・離脱・遅れを即座に察知できなくなります。
声・笛・ハンドサインが届く距離を考えると、隊列は最大でも15〜20m程度。それを保てるのが5〜6人編成、それ以上になると、情報伝達がワンテンポ遅れて事故率が跳ね上がります。
人数が増えるほど、体力・判断力・集中力の差が顕在化します。6人までならリーダーが「全員の状態を観察し、対応できる」。7人以上になると、全員を観るより進行管理に追われる状態になり、安全判断が遅れます。
日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)推奨:「安全登山ではリーダー1人につき5〜6人が限界」
山岳救助隊の訓練ガイドライン:「6名を超える場合はサブリーダー配置必須」
登山活動では、天候・地形・参加者の体調など、現場の状況が刻一刻と変化します。そのため、安全確保の判断や注意喚起には即時性と現場判断が不可欠です。
登山企画を外部に公開する際は、「東京ぶらぶら」の活動方針やブランディングに合致しているかを確認するため、「東京ぶらぶら」が内容確認および承認権限を持ちます。この承認は、企画・表現・広報の統一性を目的とし、現場の安全管理や運営判断に影響を及ぼすものではありません。
「東京ぶらぶら」にて計画が承認された登山企画については、「TOKYO MOUNTAIN LAB by 東京ぶらぶら 」現場リーダーの判断を最優先とします。 現場リーダーが現場運営と安全管理を一任され、天候・地形・参加者の状況に応じて、即時的な安全対策・装備指示・注意喚起を直接実施できる権限を持ちます。これらの行動は、安全確保を目的としており、「東京ぶらぶら」代表者への事前承認を要しません。
登山活動においては、天候・地形・参加者の体調などが刻々と変化します。そのため、安全に関する判断や注意喚起を「上位者の承認待ち」とすることは、次のようなリスクを伴います。
1.判断の遅れによる危険拡大
承認を待つ間に状況が悪化し、行動タイミングを逸する可能性があります。
2.責任の所在が不明確になる
承認を求めた結果、現場判断と上位判断が混在し、緊急時に「誰の判断を優先すべきか」が曖昧になります。
3.参加者の安全より形式を優先する運用になる
安全対策が“承認プロセス”に従属すると、本来の目的である「人命の確保」が二の次になるおそれがあります。
4. 安全管理情報の共有と役割分担の変更
「東京ぶらぶら」にて本格登山に対応できる経験・知識を得た場合には「安全管理情報の共有と役割分担の変更」を検討する可能性があります。
5. コミュニティにおける人への配慮と行動規範
TOKYO MOUNTAIN LABでは、登山を安全に楽しむために、安心して参加できる人間関係の環境づくりも重視しています。
そのため、以下の行為を禁止します。
- 他者に対する暴言・威圧的言動・人格を否定する発言
- 性的な言動や接触、またはそれを想起させる行為
- 個人の容姿・年齢・性別・体力などを軽視・嘲笑する発言
- 不必要な身体接触や、距離の近すぎる振る舞い
また、運営者・リーダーは指導や助言の際に「安全のための注意」と「個人への批判」を混同しないよう十分に配慮します。
安全のための声かけは行いますが、人格への評価や圧力を目的とした行為は行いません。
これにより、誰もが安心して参加できる環境を維持します。
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「安全な登山は、知識と準備と、仲間への思いやりから生まれる。」
TOKYO MOUNTAIN LAB by 東京ぶらぶら
コミュニティポリシー(制定:2025年11月6日)