能に出る漢詩

張継(唐) 楓橋夜泊
月落烏啼霜満天　江楓漁火対愁眠
姑蘇城外寒山寺　夜半鐘聲到客船
月落ち烏啼きて、霜天に満つ。
江楓、漁火、愁眠に対す。
姑蘇城外（こそじょうがい）の寒山寺、
夜半の鐘声　客船（かくせん）に到る
(三井寺)

賈島(唐)
團々離海嶠　冉々出雲衢
此夜一輪満　清光何處無
團々として海嶠を離れ。
冉々として雲衢を出づ。
今宵一輪満てり。
清光何れの所にかなからん。
(三井寺)


李橋
長楽鐘声花外尽
龍池柳色雨中深
長楽の鐘の声は
花の外（ほか）に尽きぬ
龍池（りょうち）の柳の色は
雨の中（うち）に深し
(三井寺