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2023年10月7日 読書会報告

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東京読書倶楽部 主催者の川口です!

10月7日(土)の朝に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!

この日は新規の方が4名の合計5名で読書会。久方ぶりに初参加の方で席が埋まったけれども、本好きが集まっているからか、終わる頃にはもっと話したいことばかりだったと大盛況。

ニュースや新聞だとどうしても客観視してしまうけれども、小説だと感情移入している間に様々なことを考えさせられる。だから小説は面白いんだって。

紹介して頂いた本

夏目漱石「こころ」新潮社

鎌倉で出会ったとある男性を、私は先生と呼んで慕っていた。父の危篤で地元に帰り、また会いに行こうと思った矢先に先生から遺書が届く。

紹介者曰く、ハッピーエンドではなく報われない物語のほうが好き。その分自分が報わていると思えるから。読みかけだったため、次は深い話ができるようにしますと決意。

太宰治「ビィヨンの妻」新潮社

駄目な亭主(恐らく太宰自身)を支える健気な妻の物語。居酒屋のツケが溜まり、夫に代わって働きに出る妻。嫁の稼いだ金で酒を飲む夫、それでも亭主に愛情を覚える妻の物語。

社会に出ることで、世の中に後ろめたさを抱えている人間はいないんだと気づく。自分は人非人にんぴにんだと憂う夫に対し、人非人でも良いじゃないか、生きていればと。それだけで幸せなんだと気づく。

オルダス・ハクスリー「すばらしい新世界」早川書房

工場で瓶詰めで生産される人間たちは、産まれた時点で階級が決まる。条件付け教育により平等が保たれており、幸せになるためにドラッグもOK。タイトル通りみんな幸せだが、その仕組みに組み込まれなかった人たちの物語。

ディストピア作品の良いところは、人の社会を客観的に視れること。人間が幸せになるためにシステムが存在するのではなく、システムを維持するために人間が生産されている。そんな物語が、どこか現実味を帯びている。

王谷晶「君の六月は凍る」朝日新聞出版

アルバイトで交通整理の仕事をしている若い女性。原始共産主義が蔓延るシェアハウスで唯一の楽しみは、推しのカップリングの二次創作を書くこと。愛を語ることが、世界の中に愛を1つ増やすことなんだと。

既成の宗教的な愛ではなく、自らが生み出した推しを愛することもあるんだって。でも、推しを愛することは一方的なもの。生きるには、辛いことであっても、人との交流というコミュニケーションが必要なのね(内容は「ベイビー、イッツ・お東京さま」より)。

10月・11月の読書会スケジュール

10月14日(土) 14:00~17:00
散策×読書会 →キャンセルのため1名募集中!
10月21日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE! →満員御礼!
10月28日(土) 10:00〜12:00
朝活×読書会→満員御礼!

11月11日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
11月18日(土) 10:00~12:00
散策×読書会
11月19日(日) 13:00~18:00
文学×ボードゲーム会
11月25日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE!