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今回のどうぞの椅子を、
私なりに漢字一文字で表すと『素』でした。
今回は、緑に囲まれた爽やかな風が吹く屋上庭園での開催となりました。
天井のない解放感と、横長のベンチ。
自然と目線が揃い、いつにも増して気楽で、対等に、
一人の人間同士として向かい合えた2時間だったように感じます。
実はこの3日前、私はこの場所を訪れていました。
いわゆる下見というやつです。
最近は日差しが強い日も多く、
みなさんが心地よく過ごせる日陰はあるのだろうかと、少し心配になっていました。
最初は日陰を探すだけのつもりだったのですが、
気づけば当日の座り方をあれこれ考え始めていました。
ここに座ったら、どんな景色が見えるかな。
どんな空気になるだろう。
気楽な雰囲気で話すには、あえて段差にずれて座るのもありかな、と。
そんなことを考えながら、
あちこちのベンチに座っては、一人でイベントの空気を想像していました。
今思えば、周りから見たら少し不思議な人だったかもしれません。
でも私にとってその時間は、
これから始まる「どうぞの椅子」を、少しだけ先取りしているような、
わくわくしたひとときでもありました。
今回の会では、GINZAシックスの地下食品売り場をみんなで回ることもできました。
3粒1500円の宝石のようなミニトマトに驚いたり、
自分へのご褒美といってパンを選んだり。
まるで東京に来た修学旅行生のようで、
私にとって、心躍る時間となりました。
どうぞの椅子というサークルを主催しはじめて、8回目。
どうぞの椅子のイベントには、明確な目的がありません。
集まってくださった皆さんがすべて。
イベントの主役であり、同時に価値をつくってくださる存在です。
わたしはこのサークルが、
コンビニのおにぎりに例えるなら「塩むすび」のようであったらいいなと思っています。
何も飾りがなくても、
それでいいと思える時間。
特別な何かがあるわけではないけれど、
ふとしたときに思い出してもらえるような時間。
高級鮭おにぎりや、肉巻きおにぎりには遠く及ばないけれど、
しみじみとした、安心できる味。
そんな時間が、ここにあったら。
そんな風に誰かの心の中に居られたら嬉しいなと思います。
今回も5月の爽やかな時間を一緒に過ごしてくださったみなさんに、
たくさんの感謝を込めて。
どうぞの椅子主催者
ゆかの覚書