弘前のボルダリングスタジオ「ROUTE∞（ルート）」が12月21日にリニューアルオープンした。旧店舗「ラットウォール弘前」を体操教室「アスリートクラブ」（代表・葛西伸昭）が事業継承し、人工壁の色を黒に変更、モニターを設置して自身の動きを映像で確認できるようにするなど設備を改装した。フリードリンクや見学スペースを設け、料金体系や営業時間も改められており、体操教室との連携による新サービスも検討している。

小さな街でボルダリングの拠点が残ること自体が嬉しいニュースである。黒い壁とモニターは単なる見た目の刷新を超えて「練習を可視化して共有する場」を作る道具になりうる。動画をみんなで見て動きを比較したり、撮影した映像をもとにアドバイスし合えると、上達の速度も楽しみもぐっと増す。こういう熱量って、結局“語れる相手”がいると一気に加速する。見学スペースやフリードリンクは会話のきっかけになりやすく、初めての人でも参加しやすい時間帯を狙って行けば、一人参加でも仲間が見つかりやすい。週末に同じテンションの人と会える場があるだけで、趣味は画面の中だけで完結しなくなり、現実に根づいていく。体操教室との連携で子ども向けプログラムやフォーム改善ワークショップが増えれば、ファミリー層や競技志向の人も集まりやすくなる。まずは見学で空気感を掴み、動画を撮って友達に見せる、ミニコンペを企画するといった小さな一歩が「好き」を長く続けるコツになるだろう。好きが企画になり、仲間と会って語り合う体験が、新しい推し活や趣味活を強く支えてくれるはずである。