長崎県平戸市の老舗「上の木寺染物店」を五代目の山本久美子さんが約30年にわたり切り盛りしている。伝統技法と現代的な感性を融合させ、引き染めで藍を重ねたドレスや平戸の椿・ツツジ、あご（トビウオ）をモチーフにした作品を制作している。父から受け継いだ節句のぼり制作や、染色体験の実施も紹介されている。

伝統をただ守るだけでなく、自分の「好き」を試作と挑戦で形にしていく姿は、ものづくりを趣味にする人にとってすごく励みになる。染めの工程を体験できるという事実は、眺めるだけで終わらせない入口になる。まずは週末にでも染色体験を予約してみて、手を動かして色を重ねる感覚を味わってほしい。そこでできた一枚をSNSで見せ合ったり、小さな展示会を仲間と企画すれば、ただのワークショップが自分たちの文化に変わる。こういう熱量って、結局「語れる相手」がいると一気に加速する。父と娘が描き分けた節句のぼりの話に通じるように、技術や好みの違いを見せ合える場があると、次の創作へのモチベーションも続きやすい。もし一緒に行く友達がいなければ、一人参加歓迎のイベントに飛び込むのも手である。実際に会って話す体験は画面の中だけでは得られない発見をくれる。最終的には自分で小さな企画を立てて、地域の伝統を題材にした作品交換会や染物ピクニックを開いてみるのも楽しい。平戸の自然や技を、自分の趣味として育てていくための“会う予定”を一つ作るだけで、趣味活はもっと現実に根づくはずだ。