埼玉県川越市の河川敷コース「川越グリーンクロス」が、荒川の洪水対策で整備される調整池用地の返還に伴い、2025年12月31日をもって閉鎖されることが決まった。1967年開場の27ホールで、都心近郊の大衆ゴルファーに長年親しまれてきた。

ローカルコースの消失はプレーヤーコミュニティにとって大きな出来事である。単なる施設の閉鎖以上に、「ここで会ってラウンドした」という思い出や日常の交流が失われることを意味する。だからこそ、最後の期日はただ眺めるだけで終わらせず、仲間と一緒に“お別れラウンド”や写真を撮るイベントを企画してほしい。フェアウェイでの思い出話や打ち上げの一杯は、画面の中だけで完結しない、会って楽しむ体験の最たるものだ。こういう熱量って、結局「語れる相手」がいると一気に加速する。初心者も入りやすい時間帯や一人参加歓迎の枠を設けておけば、世代を越えたつながりが生まれ、次の“近場のコース探し”やコミュニティ作りにつながっていくはずだ。さらに、思い出をデジタルで残すだけでなく、写真展や軽いトークイベントとして地域で発表するのも面白い。場所はなくなるが、そこで育ったつながりを予定化して、次のフィールドで会う約束を作る——そんな小さな行動が、ゴルフを日常の趣味として長く続ける力になる。