『「新」富裕層ビジネスの教科書』(集英社インターナショナル)の著者で、クレディセゾン セゾンAMEX事業部の岸田大輔氏は、かつて富裕層のステータスを象徴していた高級時計や高級外車、ゴルフやワインといった趣味の位置づけが大きく変化していると指摘する。岸田氏はこれまでに1000人以上の富裕層と会ってきた経験があり、その知見をもとに論を展開している。

会社からの辞令で富裕層ビジネスを担当することになった当初、岸田氏は東南アジアを拠点にアンダーサーブド層を相手にしていた経歴があるが、高級カードプロジェクトを通じて富裕層の世界に関わるようになったという。富裕層と接点を作るために、高級カードのコンシェルジュ会社と繋がり、富裕層が参加するイベントへ連れて行ってもらうといった手法を取り、まずは話を聞くことから関係構築を始めたと述べる。

また会話中に出た専門用語はメモして後で調べるなど、地道な努力で理解を深めたという記述がある。記事は第3回として、従来の“ステータス消費”からの変化と、富裕層ビジネスに取り組む現場の実務的な方法論を紹介している。