企画展「北斎でひもとく！浮世絵版画大百科」が2025年12月11日(木)から2026年2月23日(月・祝)まで東京・両国のすみだ北斎美術館で開催される。会場は3階 企画展示室で、前期と後期で一部展示替えを行う。[前期]2025年12月11日(木)～2026年1月18日(日)、[後期]2026年1月21日(水)～2月23日(月・祝)である。

本展は浮世絵版画そのものに焦点を当て、木版画の始まりから制作工程、時代ごとの変化をたどる構成である。木版を用いた大量生産が江戸の土産物として普及した点や、当時の庶民文化を写し取る役割にも着目している。

墨一色で摺る「墨摺絵」から複数色を重ねるフルカラー版画の「錦絵」への変化を展示で紹介する。歌川国芳の《達男気性競 つりかね弥左衛門》では主版と色版を並べ、色ごとに分かれた版が重なる制作過程を実例で示す。

葛飾北斎の《雪月花 隅田》《新版浮絵浦島竜宮入之図》《巡礼》など職人技が光る名品も多数出品される。歌舞伎の大首絵や名所絵といった画題の変遷や、明治期に入ってからの表現の変化も解説される。

彫りと摺りの職人技を間近に味わえる展示構成で、浮世絵が当時の「今」をどのように切り取っていたかが伝わる展覧会である。開館時間は9:30〜17:30(入館は17:00まで)、住所は東京都墨田区亀沢2-7-2である。