2025.12.4
「田舎」はなぜ「いなか」と読むのか
2025.12.4
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「田舎」という漢字がなぜ「いなか」と読むのかを問い、個々の漢字の読みと熟語の読みが一致しない点を指摘する記事である。
「田」には「デン」や「た」という読みがあり、「舎」には「シャ」という読みがあるが、「い」や「いな」「なか」とは読まない点が紹介される。
同様の例として「梅雨」が「つゆ」、「七夕」が「たなばた」と読むことが挙げられている。
これらは熟字訓のように、熟語全体に日本語の固有語が当てられることで生じる現象である。
東京の名門進学校駒場東邦中学校・高等学校で国語を教え、「一度読んだら絶対に忘れない漢字の教科書」を上梓した小原広行氏が解説している。
小原氏はまず、日本にはもともと文字がなく話し言葉が先に存在した可能性を提示する。
そして4世紀〜6世紀に百済を通じて本格的に漢字文化が入ってきたこと、漢字とその読み（音）がセットで伝わった経緯を紹介する。
漢字が日本語に取り入れられる過程で音読みと訓読みが混在し、熟語に固有の読みが定着するケースが増えたと説明する。
結果として、個々の字の読みと異なる読みが生まれ、「田舎」のような表記と読みのズレが説明可能になるという結論である。
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