2025.12.4

元制作者が救った木彫り大作

2025.12.4

キービジュアル 出典: news.yahoo.co.jp

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廿日市中学校の全校生徒344人が1972年の平和学習で共同制作した木彫りレリーフ「いのちの叫び」が、半世紀以上にわたり埼玉県の原爆の図丸木美術館で展示されていたが、美術館の大規模改修に伴い撤去されることになった。

撤去作業では長年の風雨で版木が反って割れており、岡村幸宣学芸員は容易に外せない状態だったと説明している。外壁とともに廃棄される予定だったが、制作に関わった当時の中学生たちが中心となって作品のレスキューを行った。中本敬章さんと妻の由佳里さんが撤去作業に加わり、廿日市市の資材置き場で修復作業が進められている。

修復では350枚の板をつなぎ直し、縦2.3m、横5.5mの大型レリーフとして組み上げている。作品は被爆直後の凄惨な場面から花が咲き子どもが笑う平和な情景までを描写しており、来館者からは「上手だよね」「嘘がない」といった評価が寄せられている。

このレリーフは1974年に丸木位里さん立会いのもと贈呈式が行われて以降、原爆の図丸木美術館の正面玄関上部に展示されていた。制作に携わった人々が半世紀ぶりに作品と向き合う機会となり、広島への里帰りと修復の取り組みが続いている。

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