2025.12.3
アラブの金属彫刻、ユネスコ無形文化遺産に登録
2025.12.3
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ユネスコは、銅や銀、金などに幾何学模様や植物、占星術のモチーフを手彫りするアラブ独特の金属彫刻技術を無形文化遺産のリストに登録した。推薦書類はチュニジア、アルジェリア、モロッコを含むアラブ諸国10カ国から提出されたと報じられている。
北アフリカのマグリブ地域では伝統的に父から息子へ技術が継承されてきたが、一部の職人は新たな需要に応えるため機械彫刻技術を取り入れている。チュニジアではモハメド・アミン・ティオウイチさん（37）が15歳で家族の工房に入り、この仕事に就いたと紹介されている。
チュニジア国立工芸局によれば、現在この工芸を専門とする職人は439人である。モロッコでは彫刻が観光業に重要な役割を果たしており、フェズの販売業者アブデリラ・ムニールさんはユネスコ認定が観光と貿易に利益をもたらすと述べている。
ラバト近郊の職人モハメド・ムムニさんは需要は高いと語る一方、リビアでは2011年以降の不安定な情勢が職業に影響を与えていると報告されている。高齢の職人が低収入で離職する例や、支援不足を指摘する声もあり、若者への訓練提供や保存の必要性が課題として挙げられている。
アルジェリアの若手ワリド・セラミさんは独学で技能を習得したとされ、古代カルタゴにまで遡るこの技術の歴史的背景と職人たちの日常、訓練の取り組みが併せて伝えられている。
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