近年、金継ぎが推し活の新しい表現として注目を集めている。破損した陶磁器を修復して味わいに変える伝統技法が、推しグッズの“再生”やオリジナル装飾として取り入れられているのだ。

ファンの間では、割れたコップや小物を金継ぎで直して展示するほか、金のラインをモチーフにしたアパレルやスマホケース、缶バッジ風のデザインが増加している。ワークショップや入門キット、オンラインレッスンが普及し、初心者でも始めやすい環境が整いつつある。

素材面では、伝統的な漆（うるし）に代わる安全性の高い接着材や金粉を使うケースも紹介されており、アレルギーや取り扱いの注意点を確認してから作業することが勧められている。まずは壊れても惜しくない試作品で練習すること、価値の高い品は専門家に相談することが安全策だ。

金継ぎは単なる修復を超えて、推し活における「物語性」や「サステナブルな愛着の育て方」としての役割を持ち始めている。思い出を残しつつ個性を表現する手段として、今後も注目されるだろう。