2025.12.3
熊本の装飾古墳、復旧工事が本格化
2025.12.3
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文化庁によると、全国にある古墳は約16万基で、コンビニエンスストア（約5万6000店舗 ※帝国データバンクより）の約3倍に相当する規模である。2016年の熊本地震では多くの古墳が被災し、国や県、市が指定する約50基が被害を受け、このうち16基が復旧工事を必要と判断された。
和水町にある江田船山古墳は5世紀後半に築かれた前方後円墳で、12月3日から復旧工事が始まる予定である。特別に石棺のある部屋への立ち入りが許可され、和水町教育委員会の西山真美さんは「被災状況をリアルにお伝え頂くということで、このドアを開けようと思います」と述べた。
石棺の横には側壁が崩れないよう応急的に土嚢が積まれており、石棺には端から端まで横亀裂が入って上側の石材が外側に傾いていると報告されている。復旧では亀裂を無理に接着せず、今後の地震に備えて石棺内に金属のフレームを設置して補強する計画である。
一方、山鹿市の桜ノ横穴墓群では11月に装飾古墳が一般公開され、幾何学文様や人物・動物の文様、彩色といった装飾が注目を集めている。熊本県立装飾古墳館によれば、全国に約850基ある装飾古墳のうち実に4分の1に当たる212基が熊本に集中しているという。
江田船山古墳からは75文字の銘文が刻まれた国宝の大刀などが出土しており、ヤマト政権の大王に仕え、菊池川下流域を治めた豪族「ムリテ」が埋葬されているだろうと考えられている。地域の遺産保護と公開の両立が今後の課題である。
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