2025.12.3
海底美術館プロジェクト、コンクリート車を沈設
2025.12.3
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フロリダ州マイアミ・ビーチ沖に、アルゼンチン出身のアーティスト、レアンドロ・エルリッヒが制作したコンクリート製の自動車彫刻《Concrete Coral（コンクリート・コーラル）》が海底に沈められた。これは海底彫刻美術館の開設に向けたプロジェクト「REEFLINE（リーフライン）」の第一弾の作品である。
設置は10月下旬にマイアミ・ビーチの海岸から約240メートル沖合で行われ、22台のコンクリート車が4日間かけて水深約6メートルの海底に並べられた。マスタープランは建築設計事務所OMAの重松象平が担当している。
彫刻には海洋環境に耐えうる性質を持ち、pH値が中性の低炭素型コンクリートが使用されている。次の段階では、マイアミ・ネイティブ・コーラル・ラボで飼育されたサンゴを特別な器具で彫刻に固定し、サンゴの増殖を促す計画である。
リーフラインは2019年に構想が始まり、キュレーターでアーティストのヒメナ・カミーノスが発起人となり、海洋生物学者や環境保護研究者らと協働して進められている。エルリッヒは《Concrete Coral》について「時が経つにつれ、車はサンゴの茂みに隠れていくでしょう。それは本当に素晴らしいことだと思います」と語っており、作品がやがて自然の一部となる意図が示されている。
同作家は金沢21世紀美術館の《スイミング・プール》や十和田市現代美術館の《建物─ブエノスアイレス》など常設で知られており、今回の設置は社会問題の解決とアートの融合を目指す取り組みの具体例として注目される。
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