ドローンを活用したサービスを提供するFujitaka（京都市）は、増加するクマの出没被害に対応するため、設置型遠隔操作ドローンシステムの運用を開始した。システムはマルチモーダル機能とAI検知システムにより、クマの姿を高精度で自動認識できる。

ドローンを格納・充電する設置型ポート「DJI Dock3」を利用し、離発着や充電を完全自動化することで、人手を介さず定期的な巡回監視が可能である。山間部など人が立ち入りにくい地域にも設置でき、100ボルト電源と通信環境があれば運用できるという。

実証実験では検知精度が実用レベルに達していることを確認したとされる。運行管理クラウドと連携し、PCからの遠隔操作にも対応するほか、検知した映像や位置情報はリアルタイムで関係者に通知される。夜間は赤外線カメラでクマを検知し、24時間体制での監視が可能である。

検知した情報は自治体や警察、地域住民へ迅速に共有し、避難指示や注意喚起を円滑に行えることが想定される。クマ検知時にはドローンから警告音やスピーカー、ライトを用いて威嚇・追い払いを行い、警告パターンは地域特性やクマの行動特性に合わせてカスタマイズ可能である。Fujitakaは「ドローンによる人手のいらないクマ対策・クマ調査を展開し、作業の自動化・遠隔化で人手不足の解消や人的被害の抑制に貢献したい」としている。