石水博物館で特別展「NIGO（R）と半泥子」が開かれている。来年1月12日までの会期で、時代も経歴も異なる二人の陶芸作品を一堂に紹介する企画である。

出展は、川喜田半泥子（1878〜1963年）作の茶陶や書画55点と、NIGO（R）さん（54）が手がけた茶わん25点を中心に構成されている。会場入り口には半泥子が昭和10年代中頃に制作した井戸手茶わんの名作「萩の露」が展示され、来場者を迎える。

半泥子が開いた津市の廣永窯（ひろなががま）（現仙鶴窯）をはじめ全国の窯元訪問歴が紹介される一方、片身替（かたみがわり）など多様な技法に挑んだ作品群も並ぶ。NIGO（R）さんは茶の湯文化への関心が高く、半泥子の作風を手本に再現や独自の表現に取り組んだ茶わんを出品している。

開館時間は午前10時〜午後5時、休館日は毎週月曜（祝日の場合は翌日）と年末年始（12月29日〜1月3日）。入館料は一般500円、学生300円、中学生以下は無料である。石水博物館の龍泉寺由佳学芸課長は「希代のクリエーター2人の競演を通して、若い世代にも茶の湯や陶芸など日本文化の素晴らしさを知る機会になれば」と話している。