調布の古刹・深大寺で、来年の干支「午（うま）」にちなんだ土産の準備が進んでいる。参道の土産店や工房では、郷土民芸の馬のわら細工「赤駒」や楽焼の干支土鈴の仕上げ作業がピークを迎えている。

「赤駒」は1950（昭和25）年代初めから1990（平成2）年ごろまで深大寺地域の農民の手で作られていた郷土民芸品で、農地の宅地化で材料のわらが入手困難になり作り手が減少したため、現在は甘味処「深大寺あめや」のみが販売している。万葉集の歌にちなんだ縁起物として、家族や恋人の無事を願う品とされる。

楽焼工房「むさし野深大寺窯」では、来年の干支をモチーフにした土鈴の制作が最終段階に入り、例年通り土鈴作りは2月ごろから取りかかるが、年末は絵付けや仕上げ作業がピークとなっている。中でも午の絵柄は人気が高く、同工房では7000個の製作を予定している。

同工房代表の馬場良太郎さんは「軽やかに走る馬のように、皆さまの一年が元気に駆けていくよう願いを込めて作っている」と話す。土鈴は1個1,000円。赤駒は1体1,500円でネット販売も行うため、年末年始の土産や縁起物として注目される状況である。