東武鉄道は東上線に新型車両90000系を来年春から順次導入すると発表した。これによりマルーンの帯を巻く9000系や10000系、30000系を置き換える計画である。

90000系の先頭形状は「高瀬舟」に着想を得た“逆スラント形状”とされ、ドア窓は従来車より床方向へ大幅に拡大される。アーバンパークライン（野田線）に導入が進む80000系とは表示配置が異なり、90000系は全ドア上に液晶ビジョンが設置される予定である。

同社は11月17日に公表した2025年度第2四半期（中間期）決算資料で、9000系のみならず10000系や30000系の代替としても90000系を順次導入すると明らかにした。導入計画を拡大する理由については「10000系・30000系の代替車両の導入時期や仕様を検討する中で、90000系で統一した方が、機器の共通化やメンテナンス方法の統一化などの利点があったため」と説明している。

将来的に東上線の池袋口の列車は「50000系および90000系での運行に集約する予定」であるとし、50000系はシャイニーオレンジのフィルムが側面の戸袋部に貼られている。記事は日立製作所製のアルミ製車両に統一される見通しとも伝えている。なお、90000系に置き換えられる10000系や30000系が廃車となるのか他線区に転用されるのかは未定である。現在は伝統のマルーン帯を巻く車両が残るが、池袋口の顔ぶれは大きく変わる見通しである。