茨城県日立市の今橋製作所が、純チタンを削り出して作る酒器シリーズ「hikiZAN」を発表した。

同社は宇宙開発用のロケット部品や新幹線の基幹パーツも手掛ける企業で、若手有志メンバーのプロジェクトとして開発された。

デザイン原案は笠間で活動する陶芸家・船串篤司氏が担当している。

素材は純チタンの塊「インゴット」から一つ一つ削り出す方式で、輝くグラデーションは厚みにより色の変化を起こすチタンの酸化被膜によるもので、ひとつとして同じものがないという。

ラインナップは4パターンで、1st model（¥69300）は自然物のような質感とフォルム、2nd model（¥59400）はランダムに面取りされた表情、3rd model（¥63800）は水晶の結晶のような独特のフォルム、4th model（¥59400）は歪んだ不均一な形状で“侘び寂び”の精神を象徴するデザインとされる。

チタンは軽量で錆びにくく、酒の味や香りを一切邪魔しないため酒器としての適性がうたわれている。

アウトドアでの使用方法としては、コッヘルなどで60～70度のお湯を張って、日本酒を注いだhikiZAN酒器を5分ほど浸すことで最適な温度にする手法が紹介されている。

各モデルは純チタンならではの堅牢さと偶然性のある色合いを併せ持ち、工業技術と工芸的デザインを掛け合わせた製品として展開される。

価格帯は5万円台から7万円台で、ギフトやコレクション需要が見込まれる構成である。