津山木版画会（増田德司会長）による「木版画年賀状講座」が29、30日、岡山県津山市大谷の中央公民館で開かれた。2日間の講座には同会講座の受講生や地域住民ら計15人が参加し、15年以上続く恒例の講座として実施された。

参加者は来年の干支（えと）・午（うま）や鯛などの縁起物の下絵を版木に貼り付け、「謹賀新年」「新春万福」といった挨拶文を添えた年賀状制作に励んだ。大きさや形の違う彫刻刀を持ち替え、絵や文字の周りを慎重に掘る姿が見られた。

29日は初心者も参加しており、会員たちから道具の正しい持ち方やきれいな彫り方まで手順一つ一つを丁寧に教わりながら制作を進めた。知り合いに誘われて初めて来たという押入の安岡雅美さん（71）は「版画の制作は小学生の時以来で約60年ぶり。手先を動かす作業は大変だけど上手にできるととても面白い。完成品を見ると心地よい達成感を味わえると思う」と語った。

会は参加者同士の交流や技術継承の場ともなり、完成した年賀状は親しい人たちに送る予定であると報じられている。主催は津山朝日新聞社が伝えた。