新日本プロレスは11月28日、青森・カクヒログループスーパーアリーナにて『WORLD TAG LEAGUE 2025』第6戦を開催した。メインのBブロック公式戦では、開幕2連敗と苦しむ棚橋弘至＆エル・ファンタズモ組と、同じく未勝利のIWGPタッグ王者“Knock Out Brothers”Yuto-Ice＆OSKAR組が激突した。

この一戦は単なるリーグ戦の1試合以上の意味を持っていた。Iceは棚橋と同じ中学校出身で、かつて棚橋の付き人を務めた弟子であり、11.8安城大会でのシングルマッチでは師匠に敗れているため、リベンジの舞台でもあった。試合は両チームの意地がぶつかり合う激戦となった。

棚橋は得意のドラゴンスクリューやスリングブレイドでIceを追い詰め、ファンタズモはサドンデスやトペ・スイシーダで躍動した。K.O.Bは王者の意地を見せ、OSKARのパワーファイトが光る場面が続いた。IceもIce HIGHやAMBITIONといった大技で食らいつき、終盤は両者の連携が勝敗を分けた。

終盤、OSKARが棚橋をツームストンパイルドライバーの体勢で捕らえると合体技K.O.Bが炸裂。さらにOSKARがファンタズモをネックハンギングボムで排除すると、最後はOSKARが捕らえた棚橋に、Iceが渾身のCruellaを叩き込み、ついに師匠越えを果たした。これによりK.O.Bは待望の初白星（1勝2敗）、棚橋＆ファンタズモ組は開幕3連敗（0勝3敗）となった。

試合後、Iceはマイクを握り「オイ、エース！このケンカ、オレらの勝ちや！オレはよ、昔、クソヤローやった。でもな、プロレスとアンタに救われた！新日本プロレスに入ってアンタの付き人やっとってよ、最高にうれしいよ！」と胸の内を吐露し、引退を控える棚橋へも不器用なエールを送った。