フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI Mk1（1976〜1983／英国仕様）の中古車ガイド記事を紹介する。 当初は5000台限定の想定だったゴルフ GTI は希少性が高く、特に前期型はボディやシャシーが酸化しやすいと指摘されている。

1980年のフェイスリフトで防錆処理が強化され、ホイールアーチ・ライナーも改良されたが、外装部品は入手困難でヘッドライトや内装パネル、正常に動くメーター類は高額になりがちである。

パワートレインは概ね堅牢で、適切な整備があれば16万km程まではエンジンのリビルドを要さないケースが多い。1.6Lと1.8Lでは性格が異なり、1.6Lは活発な走りにやや手を要する一方、1.8Lはトルクが太く余裕のある走りを示す。

購入時にはオーバーヒートの履歴確認が重要で、1.6Lではブロックの亀裂から過熱に至る例があること、ラジエーターは経年で詰まりやすいことを注意点として挙げている。

右ハンドル車はブレーキのリンケージが複雑で、メンテ不足だと制動性能が落ちる可能性がある。短いスプリングで車高を落とした改造車はタイヤの偏摩耗が起きやすい。

1981年にはエッティンガー社が手掛けたゴルフ GTI 16Sがフランスで発売された例もあり、改造例は存在するが、基本的にはオリジナル状態の個体の評価が高いとまとめられている。購入検討時は酸化状況、整備履歴、部品入手性、オーバーヒート履歴、タイミングベルト交換履歴（6万km毎か4年毎が推奨）を必ず確認することが推奨される。