代官山 蔦屋書店は来年で開業15周年になる。開業以来、店舗は単なる書籍販売の場を超えた生活提案の場として位置づけられてきた。

CCC（カルチュア・コンビニエンス・クラブ）が展開する蔦屋書店では、本と周辺の物販や体験を組み合わせることでプラットフォーム化を進めている。例えば「食」の本棚の周囲に関連物販を展開し、ライフスタイル提案を行っている点が特徴である。

書店業界全体の書籍売り上げが前年比95％と減少するなか、蔦屋書店の直営16店舗（図書館・公共施設内を除く）では24年度の本単体の売り上げが前年比104％と業界水準を10％上回った。こうした数値は業態の違いが実を結んでいることを示している。

鎌浦慎一郎・CCC執行役員・TSUTAYA事業管掌は、創業者の増田宗昭（現会長）が当初から本を売るだけでなく生活提案を行う場を志向していたことを指摘している。2011年の開業時には想像を超えたスタイルとして注目を集め、以降の書店モデルに影響を与えてきた。