ドローン開発会社「Liberaware」（リベラウェア、千葉市）は埼玉県と「災害時等における無人航空機の運用に関する協定」を締結した。協定により、地震や風水害などの災害発生時、県の要請に基づき同社のドローンを活用して被災状況の確認や要救助者の捜索などの支援を行う体制が整う。

Same社が開発した屋内点検用ドローン「IBIS2」は、埼玉県八潮市の道路陥没事故で実際に下水道管内に投入され、転落したトラックの運転席部分を発見して救出活動に貢献した実績がある。IBIS2は小型で、重さ243グラム、縦横それぞれ約20センチ、高さ約6センチという寸法を持ち、防塵構造の特殊なモーターを搭載して過酷な環境での飛行に対応する。

今回の協定によって、県の要請で迅速にドローンを展開し、被災地の初動対応や情報収集の一翼を担うことが期待される。閔弘圭（ミンホンキュ）CEO（40）は「能登半島地震でも被災地入りしたが、消防などとうまく連携が取れなかった。ドローンが災害で役立つことを多くの人に認知してもらい、役立てたい」と述べている。今後は自治体との連携を深め、災害対応の迅速化と高度化を目指す方針である。