NHK大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」の完全小説化シリーズ最終巻、『べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～ 四』がNHK出版から2025年11月28日に発売されるである。作は森下佳子、ノベライズは豊田美加が担当し、定価は1,760円（税込）、四六判並製・288ページ、ISBN：978-4-14-005753-7である。

本巻は老中首座・松平定信の出版統制が蔦屋重三郎の身にも及ぶ場面から物語が進むである。山東京伝作『教訓読本』三作の絶版や、小伝馬町牢屋敷での厳しい詮議など、江戸の出版史に根ざしたエピソードが描かれているである。

蔦重は身上半減の刑に処せられ、財産から黄表紙、暖簾まで半分召し上げとなる一方、歌麿は最愛のきよを失い失意に沈むである。蔦重はきよの最後の姿を描いた絵を基に女性の大首絵シリーズを思いつき、女性の内面を描く新たな浮世絵へと結実する構想が示されるである。

折しも深川の大水で行き場を失った滝沢琑吉（のちの曲亭馬琴）が転がり込み、勝川春朗（のちの葛飾北斎）と組み合わせ『実語教幼稚講釈』を刊行する展開も収められているである。目次には第三十七章～第四十八章が並び、『歌麿筆美人大首絵』『その名は写楽』などの章題が含まれるである。

全4巻シリーズの最終巻として、既刊とあわせて蔦重の生涯と江戸の出版文化の全貌を味わえる構成である。購入はNHK出版の案内ページや各種書店での取り扱いが見込まれるである。