昨今、ゴルフウエアのまま「直行直帰」するスタイルが広がり、スパイクレスシューズを履いたまま来場するゴルファーが増えている。ロッカーフィーの別徴収などを背景に準備時間短縮を図る動きがある一方で、ゴルフ場側には懸念が生じている。

いわむらカントリークラブの支配人・志村努氏は「おそらく、どこのゴルフ場も同じだと思いますが、スパイクレスであってもゴルフシューズのまま来場することは推奨していません。最大の理由は、ゴルフ場以外で履かれたシューズにはさまざまな雑菌が付着している可能性があり、コースの芝が病気になる危険があるからです。滅多にないと思いますが、道路工事などしている場所から油分が持ち込まれることで芝に大きなダメージを与えることもあります」と語る。

同ゴルフ場では利用者のうち約3割がスパイクレスシューズを使用しているが、ソフトスパイクを履く人はアスファルトで鋲が摩耗するため履き替えるケースが多いという。外部から持ち込まれた菌が直接の原因で芝が枯れたと断定できる事例は少ないものの、3～4ミリと短く刈るグリーンの維持費は高く、特にベント芝は繊細で菌に弱い特徴がある。

結果としてゴルフ場側は「来場時の靴の扱い」について配慮を求める姿勢を崩していない。利便性を重視する動きとコース保全の双方をどう両立させるかが、今後の課題である。