2025年11月27日に報道陣向けに公開されたデモンストレーションは、雪山などでの遭難者を発見することを目的とした技術の実演である。GPS（全地球測位システム）とWi−Fiを組み合わせたシステムを用いる点が特徴である。

ソフトバンクなどが開発したシステムでは、雪崩などが起きた現場にアンテナを搭載したドローンを飛ばし、Wi−Fiの通信エリアを構築する運用を想定している。構築した通信環境を通じて遭難者や捜索者と通信し、おおよその位置情報を捜索隊に共有する仕組みである。

さらにドローンにはマイクとスピーカーが搭載されており、遭難者のもとにつり下げて直接コミュニケーションを取りつつ、正確な位置を特定する運用も示された。これにより無線や衛星電話が使えない状況下でも当面の連絡や状況確認が可能となる点が強調されている。

関係者は今後、自治体などと連携して実用化を目指す考えを示している。現場での運用ルールや安全面の検討、自治体との連携体制の整備が今後の課題として残るが、遭難対応の選択肢を増やす取り組みとして注目される。