2025.11.27
築150年の古民家が高校生の寮に 千葉・いすみ
2025.11.27
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全国で進む空き家問題の中、千葉県いすみ市では元空き家の活用が地域課題の解決策となっている。2023年の調査では空き家は39万4100戸にのぼり、5年間でおよそ1万戸増加していると報告されている。いすみ市では市内の住宅の3割近くが空き家状態であり、地域の人口減少が背景にある。
一方で公立高校の定員割れも深刻である。県立大原高校は開校以来応募人数が募集人数を下回る状態が続き、4年前には160人募集に対して75人の応募にとどまったが、最近はおよそ100人ほどの応募が続いている。通学が困難な遠隔地の生徒にも門戸を開くため、遠隔地からの生徒募集が行われている。
下宿先として選ばれたのは築150年の古民家である。買い手を探すための民間サービス「空き家オークション」を通じて東京から移住した安藤徳彰さんが購入し、総工費およそ1500万円をかけて大規模改修を実施した。安藤さんはこの古民家を拠点に、多世代共生型ファーム『結いとぴあ』を運営する計画で、農作業や料理などを共同で行う生活の場として活用する意向である。
大原高校は駅から徒歩10分の立地にあり、2年次から農業や水産業など専門性の高い授業を選択できる点が特徴で、千葉県内でも3校しかない水産業を学べる高校の一つである。安藤さんは高校生の成長に寄与するとして下宿先の受け入れを決め、地域資源を活かした教育とまちづくりの実例として注目されている。
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