シアトルで若者の間に編み物ブームが広がっていると、現地で働く日本人の福原たまねぎ氏が伝えている。MicrosoftやAmazonの本社がある「テックの街」シアトルで、WiFiを提供しない「NO WIFI」と看板に掲げる店が人気を集めている。

代表的な店「Sound and Fog」では店内にパソコンやスマホの画面が見当たらず、客は紙の本を読むなどオフラインの時間を過ごしている。店側は「じっくりとコーヒーを楽しんでもらいたい」「席数が限られているから」とNO WIFIの理由を説明している。長時間のパソコン作業ができないことで自然とネット断ちにつながっている。

一方で店内や街角では編み物に夢中になる若者の姿が目撃され、スーパーマーケットに編み物セットが並ぶ光景も報告されている。編み物に集中することで無理なくデジタルデトックスになる点が注目されている。こうした潮流はシアトルに限らずアメリカ各地でも聞かれるという。

シアトルはコーヒーの街としてスターバックスの本社や第一号店があることで知られ、エスプレッソベースのメニューを広めた歴史を持つ。テクノロジー企業が集まる都市でのオフライン志向の広がりは意外な変化として注目を集めている。