奈良出身の茶人・村田珠光をしのぶ「第12回珠光茶会」が来年2月に開催される。例年の平日中心の日程から変更し、2月7、8、11、14、15日の週末と祝日に分散して行われる予定である。

今回の開催は、来年放送予定のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟！」に合わせた企画も含まれる。豊臣秀長ゆかりの菓子提供を行う菊屋本店（大和郡山市）や、奈良市による小冊子制作など連動企画が予定されている。

訪日客の受け入れを意識したインバウンド対応も進められ、22日にはホテル天平ならまちでインバウンド茶会が開かれる。参加者増を想定し、阪急交通社の「奈良で茶の湯華開く『珠光茶会』東大寺と春日大社国宝殿 開館前鑑賞2日間」など2種類のツアーが企画されたほか、三越伊勢丹ニッコウトラベルによるツアーも用意される。

参加茶道流派は表千家、裏千家、武者小路千家、遠州流、石州流、薮内流、宗徧流が名を連ねる。会場は東大寺、春日大社、元興寺、大安寺、西大寺、唐招提寺、薬師寺、法華寺など奈良の主要寺社で茶席が設けられる見込みである。予定来場者は約2000人と見込まれている。

26日の記者会見で仲川元庸市長は「奈良を訪れる人が表面的でなく、文化的背景を理解し関心を持っていただくのが本来の奈良旅。奥深い歴史と文化を伝えたい」と述べた。実行委員会会長の東大寺の橋村公英別当は「茶の心は周りへの気配りが大切といわれる。気配り、思いやり、おもてなしを味わっていただければ」と語っている。

申し込みは、珠光茶会予約センター、電話050(1741)7114=12月1日～来年2月13日=。