2025.11.27
現代犬種の6割超にオオカミ由来DNAを検出
2025.11.27
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アメリカ自然史博物館（AMNH）の最新研究は、更新世後期（約12万6000年前〜約1万1700年前）から現代までに発表されたオオカミ、各種犬種、その他イヌ科動物を含む2700以上のゲノムデータを解析した結果を報告している。研究の詳細は2025年5月27日付で科学雑誌『PNAS』に掲載された。
解析の結果、現代の犬種の約3分の2、すなわち6割以上からオオカミ由来のDNAがはっきり検出できることが分かった。注目すべきは、こうした交雑は犬の家畜化の最初期ではなく、犬が既に人間社会で暮らすようになったあとに起きたと推定されている点である。
個別の犬種ごとの割合では、チェコスロバキアン・ウルフドッグとサーロス・ウルフホンドでオオカミ由来DNAが23〜40％と高い値を示した。一方で、グラン・アングロ・フランセ・トリコロールは4.7〜5.7％、非常に小型のチワワでも約0.2％のオオカミDNAが見つかっている。
興味深いことに、ナポリタン・マスティフやセントバーナードといった大柄な護畜犬の一部にはオオカミ由来DNAがほとんど検出されなかった。研究は「オオカミのDNA＝大型で野性的」という単純な図式には当てはまらないことを示している。
今回のゲノム解析は犬とオオカミの関係が単一の家畜化イベントで完結したわけではなく、その後も複数回にわたり交雑が続いた可能性を示すものであり、犬の起源や特性の理解に新たな視点を提供すると結論づけている。
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